面付けと料金
2016年7月4日
削りカスがでないスクラッチ印刷について、お客様より
「スクラッチ部分の大きさや箇所に制限はありますか?
また、それにより金額は変わりますか?」
といったお問合せをいただくことがあります。
スクラッチ部分の大きさや数・形については、
1箇所に大きく入れたり小さくしてスクラッチ箇所を増やすなど、
お客様の自由に設定できます。
料金については、スクラッチ部分の面積や数の違いだけでは変動しません。
しかし、スクラッチ部分の中身に数種のバリエーションが
ある場合は変動します。
今回はその理由について、オフセット印刷の基本的な流れとともに
かんたんに説明していきたいと思います。
基本的なオフセット印刷の流れ
まずは、基本となるオフセット印刷の流れについてです。
スクラッチに限らずオフセット印刷の場合は、
印刷に必要な刷版を作る必要があります。
刷版とは、絵柄を紙に印刷するためにつかうアルミ製の版のことで、
フルカラー印刷の場合はCMYKの4版が必要となります。
この刷版をつくる際に、効率よく印刷するため、
当該案件に対して、適宜サイズの印刷用紙上に収まるよう、
当該印刷物のデータを適宜数並べます。
これを面付け(めんつけ)といい、
面付けされた刷版を出力し次の印刷工程へ進みます。
ここからは具体的な例として、
オフセット印刷によるカードの印刷で、
部数16,000枚の場合を仮定してみていきましょう。
ここでのカードのサイズは、一般的な91mm×55mmとし、
絵柄も1種類のみを16,000枚印刷とします。
この場合、適宜サイズの印刷用紙上に収まるよう、
カードのデータを16面面付けして刷版を出力します。
そして、その刷版を印刷機にセットし、
紙を一枚通すと印刷用紙に16枚分のカードが印刷されます。
今回の場合は総数で16,000枚必要ですので、
16面付けされた刷版をセットした印刷機に用紙を
1,000枚通すと、16面×1,000枚=合計16,000枚分のカードが
印刷されるということになります。
印刷終了後は、乾燥させてから指定のサイズに断裁し完成です。
以上が、オフセット印刷の基本的な流れとなります。
実際はもっと細かい点もありますが、なるべくシンプルに記載しました。
次は、こちらをもとにスクラッチ印刷に置き換え、
スクラッチ部分の中身が数種類ある場合に料金が変わる理由を
お伝えしていきます。
種類が複数あるオフセット印刷の流れ
上記では、オフセット印刷の基本的な流れをお伝えしました。
そのうえで、ここではスクラッチ部分の中身が数種類ある場合に
料金が変わる理由について迫っていきたいと思います。
ここでの例としては、オフセット印刷によるスクラッチカードの印刷で
部数16,000枚(1等100枚、2等900枚、3等5,000枚、ハズレ10,000枚)
サイズは上記のものと同じ91mm×55mmと仮定します。
はじめに、こちらも上記同様、
印刷に必要な刷版に適宜数のデータを
面付けし版出力ます。
前回の例と同じカードサイズですので、
基本的な面付けも前回同様16面となります。
ただ上記の場合は絵柄が1種類でしたので同じデータを
16面付けしていましたが、
この場合は1等、2等、3等、ハズレと4種類ありますので、
16面の中に1等を1面、2等を1面、3等を5面、ハズレを
9面という面付けをします。
そしてその刷版を印刷機にセットして用紙を1,150枚通すと、
1等100枚、2等900枚、3等5,000枚、ハズレ10,000枚分が
一度に刷り上がるということになります。
このように1等、2等など中身の種類によって面付けが
変わると、用紙の通し枚数も変わり、
それによって料金も変動するということになるのです。