2017年2月14日
●データのない印刷物
現在の印刷物はイラストレータやオフィスデータ等、パソコンで作成したものがほとんどです。
ですがパソコン普及以前の昔から使用している包装紙やパッケージ等、パソコンデータがない印刷物に関してお困りの方がたくさんいらっしゃるというお話をお聞きします。
パソコン普及以前の印刷というと、製版でフィルムを作成しフィルムをもとに印刷をするという工程でした。
しかし現在はパソコンデータからの印刷が主流になり、フィルムから印刷をするという設備や技術が無くなりつつあります。
当社ではフィルムから印刷の版を焼き付ける設備がまだ健在ですが、数年前にメーカーのサポートが終了していて部品がないため、壊れた場合に修理できない可能性が非常に高いです。
また以前はフィルムを修正する技術があり、一部追加や変更の修正をフィルム上で行うことが出来ましたが、こちらもフィルム修正のための材料が製造中止となり
現在日本全国でも出来るところはほとんど無いはずです。
そのようなことで当時作成したフィルムだけ残っているが、印刷をお願いできるところが無くて困っているという方がいらっしゃるようです。
その他にも、以前の印刷発注担当がやめてしまって何もわからない。
同業の印刷会社様でも数年ぶりに増刷以来を受けたが、設備が変わってしまい以前と同じようにできないというお話もお聞きします。
●対応策として
当社でも製版フィルムからの印刷相談が年に数回あります。
その中でも一部修正、改版して印刷したいというお客様が大半です。
前述でも説明しましたが、製版フィルムを修正できるところが現在ほとんどありません。
当社ではフィルム、刷り物から新たにデータを作成しなおすことをお薦めしています。
現在はフィルムから印刷の版を焼き込む、刷版機が当社を含め稼働している会社がまだありますが、いずれはフィルムから刷版が出来なくなるという時代が遠からず来るのは間違いありません。
これまで改版・修正無しでフィルムから印刷をしているという方もあらかじめデータ作成の準備をすることをお薦めします。
補足としてデータ作成には(内容にもよりますが)それなりの費用がかかります。
これを機に新しいデザインへ移行するというのも良いかもしれません。
●製版フィルムからのデータ作成サービス
当社では出来ませんが、製版フィルムをそのまま読み込みしてデータ化するサービスがあります。
以前、当社にそのサービスを使用したデータを持ち込まれて修正は可能かとのご相談がありましたが、
当社で検証した限りではデータ修正は不可能でした。
そのお客様の場合は当社で一からデータ作成しなおすという対応をさせて頂きました。
当社の在版フィルムや当時の印刷物からのデータ作成対応としてはイラストレータでデータを作成し直します。
製版フィルムや刷り物から絵柄をスキャンで取り込むことでデータ作成費用を押さえることも出来ますし、ご要望があれば出来るだけ編集出来るデータに作りなおします。
画像(写真)に関してはデータがないため前回印刷物からのスキャンデータを取り込む形式となりますが、若干画質が落ちます。
また画像に文字が重なっていたり、用紙の端に配置してある仕上りにかかった画像等はトリミングが変わります。
書体に関しても文字の形、文字間隔が若干変わる可能性があります。
前回印刷物を素に全く同じにデータ作成をするというのは絵柄によってはとても難しい場合がありますが、同じような印刷仕上りになるようなデータ作成を心掛けています。
●最後に
当時作成した印刷物でお困りの際は是非ご相談ください。
データ作成の際は以前の印刷物をお借り出来ればデータ作成が可能です。
※絵柄によっては作成不可能な場合もございますのでご了承ください。
※刷り物無しフィルムのみの場合もデータ作成が出来ない場合があります。前回印刷見本は必ずご用意下さい。